日英翻訳者 Kazuki のあれこれ

英訳一筋20年、日英翻訳者 Kazuki の日々のあれこれです(^^)

辞書環境

技術英訳の仕事に欠かせない辞書。

私はEBWin4という辞書ブラウザに全ての辞書を入れて、串刺し検索をしています。

串刺し検索とは、調べたい単語を入力すると、すべての辞書を一括で検索できる機能です。

見た目はこんな感じです。(ここでは blink という単語を入力してみました。)

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EBWin4には以下の辞書を入れています。

  • ビジネス技術実用英語大辞典V6 英和・和英・用例ファイル
    通称「うんのさんの辞書」
    実務翻訳者である海野さんご夫妻が作られた辞書で、翻訳者の間では、この辞書を持っていない人はもぐりとまで言われています。
    私もこの辞書なしでは仕事にならず、一番最初にこの辞書が表示されるように設定しています。
  • 研究社 新英和・和英大辞典
    知る人ぞ知る、研究者の大辞典。とにかく収録語数が多い!
  • 研究社新編英和活用大辞典
    いわゆるコロケーション辞典。名詞・動詞・形容詞がどのような語と結合してコローケーション(連語)をなすかを調べるための辞典。
  • ジーニアス英和大辞典
    主に可算名詞か不可算名詞かを調べるときに使います。研究社の大辞典より表示がわかりやすいので。
  • ライフサイエンス辞書
    生命科学分野で使われる用語の辞書。

この他に、以下のオンライン辞書も使っています。

  • Collins English Dictionary
    単語の微妙な意味は、英英辞典を使って確認します。
  • 英辞郎 on the WEB Pro
    無料版より有料版のProのほうが圧倒的に語数と用例が多いです。
  • Weblio辞書
    残念ながら信用できない情報も含まれているので、プレミアム会員になって、信用できるソースからの情報のみを表示させています。
  • ジャパンナレッジ
    小学館グループが提供する有料会員制のインターネットデータベース。
    詳細はこちら

    https://japanknowledge.com/introduction/writer1.html

これらの辞書をフル活用して英訳をしています。

そして、私が辞書を引く目的としては、単語の意味を調べるほかに、以下のこの2つの頻度が最も高いことに最近気づきました。

  1. 可算名詞か不可算名詞を確認する。
  2. コロケーション(名詞・動詞・形容詞がどのような語と連結するか)を調べる。
    上にも書きましたが、コロケーションを調べるときは「研究社新編英和活用大辞典」を使います。例えば、communicationのコロケーションを調べてみると、このように表示されます。

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→【動詞+】をクリックすると、

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これにより、communicationがどのような動詞と結合するかがわかります。

この辺の辞書の調べ方は、英訳者ならではの使い方だと思います。

 

と、ざっくり、私の辞書環境を紹介してみました。

プロの翻訳者としては、無料のオンライン辞書を使うだけでは不十分。

翻訳者にとって一番大切な仕事道具である辞書。

良い辞書を揃えることによって、さらに仕事の質を上げていく努力が必要なのです。