滅多に風邪も引かない健康体の私。
そんな私が今年の1月に突然激しい目眩で倒れた。
12月の中旬に大きな案件を受注。
年末までに3分の2を終わらせて、残りは年明け1週間で仕上げる予定だった。
お正月三が日はゆっくり休み、さあ今日から仕事!という1月4日の朝、ベッドから起き上がると突然激しい目眩と吐き気に襲われ身動きが取れなくなった。
しばらく横になっていたが症状は治るどころか酷くなる一方。これはただ事ではないと思い、娘に救急車を呼んでもらい病院へ(この日からダンナは仕事)。
そしたらなんと、軽い脳梗塞、と診断され、即点滴が始まり、2週間入院、という診断。
目眩でグルグルする中、仕事のことが気になって仕方がない。症状が治まったら病室で仕事しようかとも思ったが、きっと品質の悪い訳しかできないのがわかっていたので、とりあえずスマホで翻訳会社のコーディネーターさんに状況をメールで連絡。
そして、次女に、
「デスクトップPCの〇ドライブのどこどこに入っている〇〇のデータをUSBにコピーして、ノートパソコンと一緒に病院に持って来て!」
と頼み、病室に届けてもらった。
そして、そのデータをコーディネーターさんに送り、「〇〇まで英訳済みです。参考資料はこれこれ。参考にしたサイトはxxx。」などを伝え、残りは他の翻訳者さんに訳してもらえるようお願いした。
この時点で、案件を途中で投げ出す形になってしまったことがショックだったし、これでもうこの会社から仕事はもらえないな、と覚悟した。
目眩は2日ほどで治り、MRIを撮ってさらに検査してもらったところ、脳梗塞ではなく、良性発作性めまい症だったことが判明。
11月末に今の家に引っ越したこともあり、疲れとストレスが溜まっていたのだ。
結局、1週間で退院。
その後、家で療養して1週間後、コーディネーターさんから
「お加減いかがですか?そろそろ少しずつお仕事できそうですか?」
と連絡をいただき、もう仕事をもらえないかと思っていた私はビックリすると共に、連絡をいただいたことに本当に感激。
もうすっかり元気になっていた私は、また通常通りにコンスタントに受注できるようになった。
それから数カ月経った7月に、この翻訳会社に初めてご挨拶に伺った。あの時のコーディネーターさんに直接お会いしてちゃんとお礼を言うことができた。
その時、コーディネーターさんが、
『入院されたときの松本さんの対応が本当に素晴らしく、コーディネーター一同、こういう方のことをプロと言うのね!と感心したんです。』
とおっしゃってくれて、またまたビックリ!
あの時、あの状況で自分ができる限りのことをしたのが良かったということなのでしょう。
あの一件以来、私は常に、自分が倒れたり、はたまたPCが壊れたり、何が起こるかわからない、と常に思うようになった。
子供が小さい頃は、いつ熱を出したり病気になるかわからないから、常に仕事は前倒しでやることにしていたのだが、今でもその癖?は変わらない。
なので、早めに仕事が終わったら、早めに納品してしまう。
ぎりぎりまでキープしていて、パソコンが壊れたりデータがダメになったら???
とか考えてしまうのである。
これは危機管理というより、心配性?
とにかく、何かトラブルが起こっても慌てないような状況を作っておくと共に、その時できる最善の策を講じる。そして、一番大事なのは、適度に運動をし、決して無理な受注をせず、自分の健康を管理。
健康でいることが、翻訳者としての一番の危機管理だと思うのである。