わたくし、技術英訳者歴、約20年。
自己紹介でも
「技術英訳者のKazukiです」
と名乗ってきましたが、3年前からIR (Investor Relations)の英訳も始めました。
IRとは、企業が投資家に向けて経営状況や財務状況、業績動向に関する情報を発信する活動のこと。
英訳する文書は、決算短信、決算説明会資料、有価証券報告書、四半期報告書、統合報告書、株主総会招集通知、コーポレートガバナンス報告書、CSR報告書などで、これまで私がメインとしていたマニュアルや仕様書よりも長くてまとまった文章になります。
実は、数年前に金融に特化した講座を受けたことがあったのですが、その時は、自分には向いてないと判断して金融分野に手を出すのを諦めていました。
ところが、その後、ご縁があって、繁忙期の4~6月だけIR英訳のお手伝いをすることになり、この3年間、少しずつIR英訳の仕事量を増やしてきました。
その中で感じたのは、技術英訳で身に付けた英文ライティングのスキルが充分発揮できるということ。
また、技術系に比べるとレートも高め。
長年技術英訳でレートを上げる努力を続けて来ましたが、直取引でもしない限り、これ以上はもう上がらないという状況の中、今後はIR英訳に方向転換していこうと決心しました。
そして今年の2月から、IR系翻訳会社と専属契約を結んで仕事することになりました。
1社としか仕事をしないというのは、今まで、複数の翻訳会社から仕事をもらっていたやり方とは逆の方法です。リスクヘッジとしてはよろしくないやり方ですが、定期案件の間にどんどん仕事を入れ込むこれまでのやり方が年齢的に辛くなってきたことと、2022年4月に予定されているプライム市場再編により今後需要が大きく高まることが予想されている分野なので、かなりの量の仕事が見込めることから専属になる決心をしました。
ただ、この翻訳会社からは、技術系案件も時々受注することがあるので、技術英訳も続けて行くことになると思います。
専属になるにあたり、今までお世話になった翻訳会社のコーディネーターさん達に、今後はお仕事を請けられなくなる旨のメールを出したのですが、皆さん「状況が変わってお仕事できるようになりましたら、ぜひまたご連絡ください。お待ちしています。」というありがたいお返事をくださり感謝感謝です。
現在、優秀なIR英訳者の数が圧倒的に足りていない状況のようです。
すでに英訳の仕事をしていらっしゃる方でIR英訳に興味のある方は、翻訳学校のIR講座を受けるなど、チャレンジしてみてほしいと思います。
金融の専門知識のある人が英文ライティングの勉強をするより、すでにちゃんとした英文を書ける人が金融の知識を付けて行く方が近道だと私は思います。
私自身、このタイミングで新しい分野に移行して行くのは些か不安でもありますが、足りない知識をどんどん吸収して、さらにスキルを磨いて行きたいと思っています。
新しいことを始めるのに年齢は関係ありません。
まだまだがんばりますよ~!